最近の自動車保険にはロードサービスが無料でついていることが多くなりました。しかしちょっと待って下さい。実は、保険についているロードサービスでは対応できない事例もあるのです。
今回は、ロードサービスの中でも「雪道でのスタック」について解説してみましょう。
もくじ
無料ロードサービスでは、雪の時に対応できない?
2018年の1、2月は東京でも大変な雪でした。普段から雪に慣れていないドライバーは、冬タイヤなど用意していないため、あわててチェーンを買いに行くもすでに売り切れ。仕方なくそのまま走ってスタックした方が大変多かったと聞きます。
ロードサービスの条件に注意
2-1 保険のロードサービスは条件設定が細かい
無料でついているロードサービスでは、ノーマルタイヤでの雪道スタックは助けてくれない場合がほとんどです。というのも、各社細かな条件設定を行なっているからです。
たとえば、ソニー損保の事例です。
走行中に、降雪を原因としたスタックを含む走行不能となった場 合は、以下の要件をすべて満たす場合に限り、自力走行可能な場所への引き出しをサービスの対象とします。
- トラブル現場が、ご自宅の駐車場などの通常保管場所ではない。←自宅駐車場はダメ
- スタッドレスタイヤ、またはチェーンを装着している。←ノーマルタイヤはダメ
- お客様自身で一定の除雪作業を行ったにも関わらず、トラブルが解決しない。←他人任せはダメ
- なお、チェーンの脱着・スタッドレスタイヤへの履替え(パンク時以外)や除雪費用は、サービ スの対象外となります。
(ソニー損保ロードサービス利用規約から抜粋)
衝撃の事実ではないでしょうか。
2-2 各損保会社の対応
雪道でのスタックに対して、保険各社のロードサービスがどのように対応しているのかを一覧表で見てみましょう。
保険会社 | 雪道でのスタックに対する対応 |
ソニー損保 | スタットレスまたはチェーンを装着していて、自分で雪かきを行い、自宅駐車場でない場合に救援可能。 |
チューリッヒ | 雪道においてノーマルタイヤでの走行時に起こったスタックは、無料サービスの対象外とします。 |
アクサダイレクト | スタットレスまたはチェーンを装着していて、自分で雪かきを行い、自宅駐車場でない場合に救援可能。 |
三井ダイレクト | 雪道、泥道等で単にスリップまたはスタックする状態で走行できない場合は、サービス対象外です。 |
セゾン自動車火災保険(おとなの自動車保険) | 雪道用タイヤとの交換作業費用、チェーンの着脱費用は利用対象者の負担となります。 |
イーデザイン損保 | タイヤの履き替え(パンク時以外)やチェーンの着脱作業、除雪作業はサービ スの対象となりません。 |
S B I 損保 | 降雪を原因としたスタックの場合は、スタットレスタイヤ、またはチェーンを装着している場合に限り無料サービスの対象になります。 |
(各社ロードサービス利用規約から抜粋)
まさに全滅ですね。無料付帯型のロードサービスでは、無料でないばかりか助けにも来てくれない場合があるということがわかりました。
3-3 ではどうすればよいのか
そもそも雪道では、スタットレスタイヤなどの滑り止めをつけなければならないと法律で決められています。自分の車に適合するチェーンやスタットレスタイヤは早めに用意しておきましょう。
JAFはすごかった
無料ロードサービスがノーマルタイヤでのスタックに役立たないことはわかりましたが、実際に急な降雪などで身動きが取れなくなった場合どのような手段があるのでしょうか。
実際JAF に確認したところ、時間はかかるでしょうが救援に向かうとのことでした。その方法はケースバイケースで一概には言えないとのことでしたが、さすがの対応ですね。
おとなの自動車保険の対応
先ほど、ノーマルタイヤでの雪道スタックには通販型自動車保険の無料ロードサービスでは対応できないと述べましたが、一つ例外があります。
おとなの自動車保険を販売しているセゾン自動車火災保険では、もともと「ロードサービスは特約扱い」となっています。すなわち無料とは言えないのですが、さらに特殊な条件でノーマルタイヤでの雪道スタックに対応できるものがあります。
おとなの自動車保険では、ロードサービス特約をつけた人に対して、ロードサービスを提供しています。実際75%を超える方が特約をつけているとのことですから、その人気がわかりますね。
そして、JAF会員であってもJAFの無料サービスを超えた費用を契約者に変わって負担する、といった内容のサービスがあるのです。そのためJAF会員でもロードサービス特約をつける方が多くいるそうです。
そしてその場合に(JAF会員でかつロードサービス特約をつけている場合に)
- 「応急処置サービスにおいてチェーンの着脱作業費用、パンク修理代を保険会社が負担します。」
となっているのです。もともとJAFの会員なら、JAFに助けてもらえるので当たり前ですがね。
まとめ
自動車保険に自動で付帯するロードサービスが万全ではないことがわかりますよね。しかし、実際に起こるトラブルや事故の際にはとても役に立つことも事実です。
事故やトラブルは、未然にご自身で予防することでその頻度はぐんと下がると言われています。ロードサービスが付いているからと慢心せず、予防措置はとるようにしましょう。