長く自動車保険に加入してい方は、ノンフリート等級も高くなっていますよね。20等級に到達すると、それ以上は上がらなくなります。つまり、今以上は年間保険料が安くはならないのです。
せっかく20等級にまでなったのに、それが元に戻っては保険を切り替える意味が無いですよね。
保険のノンフリート等級引き継ぎとは、『①自分から家族へ引き継ぐ場合』と、『②自分の契約において、保険会社間で引き継ぐ場合』、レアケースですが一旦保険契約を中断して『③未来の自分へ引き継ぐ場合』の3つのパターンが考えれられます。今回は、②の『保険会社間での引き継ぎ』についてのお話を中心に、最後に③のパターンについても紹介していきます。
①のパターンについては、こちらの過去記事を参考にしてください。
もくじ
ノンフリート等級の引き継ぎ可否

「保険会社を切り替えても、等級を引き継げるよ」という事はすでにお伝えしましたが、条件によって若干の差が出る事があるので、もう少し細かく説明していきましょう。
保険満期時に切り替える場合

自動車任意保険の多くは1年契約で、毎年更新手続きを行ってきましたよね。通販型の自動車保険に切り替えるタイミングが「満期時」や「更新時」であれば、ほとんどの場合に問題なく等級を引き継ぐ事ができます。
この場合の「問題なく」というのは、今までの等級を維持した上で、なおかつ切り替え前の保険期間に保険金請求がない場合には、切り替え後の新しい契約では「去年より1等級上がる」ということを意味します。
保険を途中解約して切り替える場合

もし、今の保険契約満期を待たずに「途中解約」した場合にはどうなるのでしょう。
ただし、注意点があります。
つまり、途中解約した保険の実際に契約していた期間だけ、等級のアップが遅れるということになります。

更に、もし旧契約期間に事故履歴があるとすれば、新契約の保険料は事故有として計算されてしまいます。通常、契約期間中に保険金請求をしても、今年の保険料が値上がりし追加で保険料を請求されることはありませんよね。あくまでも保険料が割増されるのは、契約の更新を迎えて翌年の保険料からですから。
保険契約を中途解約して他の保険会社へ移ることは可能です。しかし、保険料の支払いという観点から見れば、ほぼメリットがないと言えます。その他の事情があれば仕方がありませんが、あまりオススメはしません。できるだけ更新時に切り替えることを検討してみましょう。
等級が引き継げないパターン①

前契約から新しい契約に等級の引き継ぎができる期間に「期限」が設定されています。前契約の満期から7日間がその期限になるので、手続きには余裕を持って取り掛かるようにしましょう。もちろん、満期を迎える90日程度前から手続きは可能です。

デメリット等級や事故有係数については13ヶ月間記録が保持されます。つまり、20等級で事故有の方が、7日間以上契約更新が遅れた場合には、6等級に戻った挙げ句に「事故有係数3年」は適用されるのです。7日間契約を遅らせることで、デメリット等級や事故有係数がリセットされることはありません。
等級が引き継げないパターン②
「前契約」や「新しい契約」が通販型でも代理店型でも、損害保険会社が販売する任意自動車保険であれば、次の契約で等級を引き継ぐ事が可能です。
共済は、そもそも損害保険とは別の仕組みで運営されているため、損害保険への切り替え時に、又は損害保険から切り替える際に、ノンフリート等級が引き継げない事例が散見されるのです。
もし、今加入されているのが「〇〇共済」という名称であれば等級の引き継ぎができないかもしれないとお考えください。
一例として、アクサダイレクトの例を示します。
【ノンフリート等級および事故有係数適用期間を引き継ぐことができる共済】
- 農協共済(JA共済)
- 全自共(全国自動車共済協同組合連合会)
- 全労済(全国労働者共済生活協同組合連合会)
- -全労済(全国労働者共済生活協同組合)
- -ポストライフ(日本郵政グループ労働者共済生活協同組合)
- -電通共済生協(電気通信産業労働者共済生活協同組合)
- -全国交運共済生協(全国交通運輸産業労働者共済生活協同組合)
- -森林労連共済(全国森林関連産業労働者共済生活協同組合)
- -全たばこ生協(全日本たばこ産業労働者共済生活協同組合)
- -全水道共済(全日本水道労働者共済生活協同組合)
- 教職員共済(教職員共済生活協同組合)
- 日火連(全日本火災共済協同組合連合会)
※現在のご契約が、上記共済以外の場合は等級を引き継ぐことができないため、新規6等級でのご案内となります。
※現在のご契約が、教職員共済の場合は、インターネットでのお見積りをご利用いただけません。お見積りはお電話にて承ります。
AXAホームページ:よくある質問から抜粋
引き継ぎに必要な手続き
基本的に、等級の引き継ぎのために特別な手続きは必要ありません。新しく契約する自動車任意保険の新規申込時には、必ず「以前の契約内容」の確認があります。そこで前契約の内容やその時の等級、事故履歴等を正確に申告するだけでOKです。
前契約が代理店型の自動車保険の場合には、仕事熱心な担当者であれば保険の更新を直接知らせてくれることもあります。一昔前なら当たり前だったのですが、最近では手続きを忘れていても放置されるケースが多くなってきました。
更新手続きのお知らせ、といった内容のはがきや携帯メールのみが送られてくるのであれば、通販型とあまり差がないのかもしれません。
等級を引き継ぎたくない場合には

保険会社を切り替えても、等級を引き継ぎたい方に対してお話を進めてきましたが、逆に等級を引き継ぎたくない方も中にはいらっしゃるでしょう。
これは、短期間でリセットされてしまうと、この制度の意味が無くなるからです。つまり、簡単には誤魔化せないような仕組みになっており、たとえ保険会社を変更して新規契約したとしても、保険会社間での情報共有の仕組みがあるために必ずバレてしまいます。
契約手続きの段階でバレなかったから大丈夫、というわけにはいきません。もし契約解除(解約じゃないよ)されることになると、その後どこの保険会社とも保険契約を結ぶことができなくなります。本当に注意してください。
デメリット等級のリセットにつては、こちらの過去記事を参考にしてください。
車を手放すことになった時には

ノンフリート等級の引き継ぎのパターンとして『未来の自分へ引き継ぐ方法』を紹介しておきましょう。
先程の話では、等級の引き継ぎには7日以内に契約を更新する必要がある、とお伝えしました。つまり、車を手放すなど保険契約そのものが不要になった場合に、等級の引き継ぎ方法が無いと困る方がいるのです。
中断制度とは、一時的に保険が不要になった際、等級を保存しておくための制度です。保険を解約する前、または満期から5年以内に「中断証明書」を発行しておくと、その後10年以内に再び自動車保険を契約する際に、解約時の等級で契約することができるのです。
保険を再開する際に、自分自身の保険だけでなく、同居の家族の保険にも適用することができるので、今後車を運転することはないなぁ、とお考えの方でも手続きだけでもされておくと役に立つかもしれません。10年という期間はほんとに長いですから。
まとめ

保険会社を切り替える際の「ノンフリート等級の引き継ぎ」についてお話してきましたが、いかがでしたか。
保険の制度はややこしい言葉が多くて理解し難いことが多いのですが、決して保険会社を切り替えることで、契約者が不当に不利益を受けることがないような仕組みになっています。
すでに20等級に到達して、更新時の保険料が変わらなくなっている方は、ぜひ通販型自動車保険を検討してみてはいかがでしょう。
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