自動車保険の切り替えを検討している方にとって、通販型の自動車保険はとても気になる存在でしょう。
そんな方のために、数ある保険会社を通販型と代理店型に分類し、それぞれどんな特徴があるのか比較していきたいと思います。
ちなみに通販型の自動車保険は、インターネットや電話を通じて、保険会社が契約者にダイレクトに(代理店を通さず)販売するためダイレクト自動車保険とも呼ばれています。
では、今回は通販型自動車保険についてみていきましょう。
もくじ
通販型の自動車保険の歴史
新保険業法施工後の1996年に、アメリカンホーム保険会社が通販の認可を取得し、1997年にアメリカンホームダイレクトとして、日本初の通販型自動車保険の販売を開始しました。これが日本での通販型自動車保険の始まりです。
それ以来1998年に チューリッヒ、1999年に アクサダイレクト と ソニー損保、2000年には 三井ダイレクト損保、そして2001年には そんぽ24、と立て続けに新規参入が相次ぎ一般消費者の選択肢が広がっていきました。
(アメリカンホームダイレクトは、持ち株会社であるAIGグループ内での事業構成の簡素化のため、2016年4月1日より全ての保険商品の新規契約の販売活動を終了しています。)
通販型の自動車保険を扱う保険会社一覧
以下に、代表的な通販型自動車保険を扱う保険会社をまとめてみます。(2017年度実績)
会社名 | グループ | 正味収入保険料 (自動車保険以外含) | 設立時期 |
ソニー損保 | 978億円 | 1998年設立 | |
チューリッヒ | 129億円 | 1872年設立のスイスの保険会社
日本法人は1998年設立 |
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アクサダイレクト | 485億円 | 1816年設立のフランスの会社
日本法人は1998年設立 |
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三井ダイレクト | MS&AD HD | 372億円 | 1999年設立 |
セゾン自動車火災保険(おとなの自動車保険) | SOMPO HD | 334億円 | 2011年に「おとなの自動車保険」を販売開始 2019年に「そんぽ24」を吸収合併 |
イーデザイン損保 | 東京海上グループ | 279億円 | 2009年設立 |
S B I 損保 | S B I グループ | 232億円 | 2006年設立 |
※ そんぽ24 | SOMPO HD | 121億円 | 2000年設立 元々は 日本興亜 の傘下だが、2014年 損保ジャパン と合併 |
※ そんぽ24損害保険株式会社は、2019年7月に同じSOMPOホールディングスグループに属するセゾン自動車火災保険株式会社(おとなの自動車保険)と合併しました。
通販型自動車保険のメリット
3-1 合理的な保険料
通販型の自動車保険は、契約者と直接取引をすることで、中間コストの削減が可能となり合理的な保険料での契約ができるようになりました。
また、できるだけ契約者一人ひとりに合うように、年齢や年間の走行予定距離・車の使用区分など細かな条件を設定し、たくさん使う人とそうでない人が不公平が少ない保険料を負担するように工夫されています。
3-2 お手軽、簡単、いつでも
通販型の自動車保険なら、パソコンやスマホで手続きが可能なため、わざわざ代理店まで足を運ぶ必要がありません。
そのため代理店の営業時間に縛られることがなく、たとえ深夜でも手の空いている時、気軽に手続きができるのも魅力の一つです。
また、保険料のシュミレーションが自分で行えるため、特約を付けた時と外した時の比較検討など、簡単にスピーディーにそして手軽に行うことができます。
意外と保険営業マンのセールスは煩わしいもの。相談したい時には頼もしいセールスマンですが、それ以外は逆に面倒だったりするものです。
人それぞれ生活スタイルが違うため、保険の条件も千差万別です。自分の自由な時間にじっくりと、自分にぴったりと合った保証内容の保険を選ぶことができるのが通販型のメリットといえます。
通販型自動車保険のデメリット
4-1 通販型自動車保険の現状
まだまだ日本では、20年程度の歴史しかなく、実は自動車任意保険全体にしめる通販型自動車保険の加入割合は、全体の1割にも満たないのが現状です。
日本損害保険協会によると2017年の自動車任意保険の保険料は合計4兆1,102億円。そのうち通販型はわずか3,011億円で、たったの7.3%にすぎません。
ではなぜ20年でこの程度しか普及していないのでしょうか。一般的によく言われているのは以下の通りです。
- 代理店型と比べてサポートが弱そうで、手続きなどに不安がある。
- いざという時の対応は大丈夫か。迅速に対応してもらえるのだろうか。
- 実際に保険金がきちんと支払われるのだろうか。
- パソコンやスマホの操作に自信がない。または面倒だ。
実際はどうなのでしょうか。本当にこれらの不安が当てはまるのでしょうか。細かく検証してみましょう。
4-2 代理店型とのサポートの差について
日本損害保険協会によると、日本国内の保険代理店の増減についての統計があります。

ご覧のように、1996年をピークに代理店の数量は減少の一途をたどっています。
それでも大手保険会社の代理店の合計は、全国で20万軒にもなります。すごい数であることに変わりありません。全国の大手コンビニの店舗数合計が約5万5千軒ですから(2017年2月決算資料ベース)いかに20万軒がすごい数なのかが分かります。
ただし、協会にはもう一つの資料が同時に公開されています。(一部抜粋)
都道府県別代理店実数
2007年度末 | 2010年度末 | 2015年度末 | 2016年度末 | |
東京都 | 24,572 | 19,750 | 26,150 | 25,318 |
大阪府 | 16,561 | 13,908 | 12,773 | 12,246 |
神奈川県 | 11,411 | 9,258 | 9,125 | 8,778 |
北海道 | 10,474 | 8,877 | 8,943 | 8,531 |
宮城県 | 4,490 | 4,060 | 4,116 | 4,005 |
石川県 | 2,531 | 2,178 | 2,076 | 2,025 |
鳥取県 | 1,211 | 1,087 | 982 | 962 |
島根県 | 1,165 | 1,052 | 986 | 957 |
確かに東京や大阪などの都市部では相当な数の代理店が確保されていますが、それでも東京都以外では年々減少傾向なのが見て取れます。
さらに、地方では極端に少ないところがあるのもわかりますよね。
5,000軒以上確保できているのはわずかに11都道府県のみで、約半数の24都道府県が3,000軒以下となっているのが現状です。
1県当たりの市町村数はだいたい30程度なので、自分の住む市町村におよそ100軒程度の保険代理店があるに過ぎません。
今後さらに減少するとなると、この先は代理店型の優位性はあまりないのかもしれませんね。
4-3 いざという時の対応は
最近の通販型自動車保険では、もしもの時は24時間365日事故受付を売りにしています。
一部の保険会社では、午後8時までの受付なら即日に初期化対応を行う、としているところまで出てきました。
さらに、一部の保険会社ではセコムなどの事故現場急行サービスがあるなど、事故対応に力を入れています。
代理店型の保険でももちろん手厚いサポートを受けられますが、最近ではあまり差がないどころか、初期対応については通販型の方が早いのかもしれませんね。
様々なジャンルの顧客満足度調査で有名な、JDパワー社が2019年に発表した自動車保険の事故対応満足度ランキングを参考に載せておきます。
自動車保険の事故対応満足度ランキング
ランキング | 保険名 | 分類 |
1位 | ソニー損保 | 通販型 |
2位 | イーデザイン損保 | 通販型 |
3位 | 損保ジャパン日本興亜 | 代理店型 |
4位 | 東京海上日動 | 代理店型 |
5位 | セゾン自動車火災 | 通販型 |
6位 | 三井住友海上 | 代理店型 |
7位 | AIG損保 | 代理店型 |
8位 | あいおいニッセイ同和損保 | 代理店型 |
9位 | アクサダイレクト | 通販型 |
10位 | チューリッヒ | 通販型 |
4-4 保険金の支払いはだいじょうぶ?
過去に保険金の支払いについては、大きな事件がありました。それは、2005年に発覚した『保険金不払い事件』のことで、当時大きな社会問題となりました。
その概要は、主契約に基づく保険金請求があった時、特約部分の請求がないためにそれを支払わない事象があったり、保険代理店が事実の確認をおろそかにして掛け金を受け取っておきながら、保険請求の段階で契約の不備を指摘して無効を主張すると言った事例で、多くの損保会社が摘発され行政処分を受けました。
損保16社にて自動車保険の保険金未払いが約16万件、67億円分あり、摘発された保険会社は以下の通り。(損保16社の内、不払いの件数が多い順)
・あいおい損保・損保ジャパン・三井住友海上火災・日本興亜損保・東京海上日動
・富士火災・ニッセイ同和損保・共栄火災海上・スミセイ損保・明治安田損保
・朝日火災海上・ソニー損保・セゾン自動車火災・セコム損保・三井ダイレクト
・そんぽ24
10年以上も前の話であり、今は改善されているのですが、過去の事例からも保険金の未払いに関して、通販型と代理店型に大差がないことが伺えます。
先のことは誰にもわかりませんが・・・。
4-5 パソコンの操作に自信がない
パソコンが本格的に世に登場したのが1995年。Windows95が登場してからです。それより前に育った人たちの中で、パソコンの操作が苦手だという人は案外多いと聞きます。しかし、今このサイトを観ているあなたはそんな心配は無用ですね。
まとめ
通販型自動車保険の魅力をまとめてきましたが、いかがでしたでしょうか。
メリットは、とにかく「安さ」と「手軽さ」
デメリットは「不安」と「面倒」
だったのではないでしょうか。
最近では、通販型自動車保険なら、簡単に見積もりが取れるようになっています。お手隙の時に、ぜひ一度試してみてください。見積もりは各社無料で簡単にすぐにできます。
通販型自動車保険への切り替えを検討される時には、できるだけ多くの保険会社から見積もりを取り寄せて検討されることをおすすめします。保険会社によって同じ条件でも大きく保険料に差がつくことは珍しくないからです。
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