運転免許証をお持ちの方なら、免許証には色分けがあることをご存知ですよね。
ただ、その制度がややこしく一部不平等な点もあるために多くの方は「よくわからない」と感じていることでしょう。
ちなみに自動車任意保険の保険料は、主に運転する者の免許証がゴールドの場合には約1割の割引が受けられることが一般的になっている。つまり、免許証の色によって保険料に差が出ることがあるのです。
というわけで、今回はゴールド免許制度について詳しく解説していきましょう。
もくじ
ゴールド免許とは

「ゴールド免許証」とは、免許証の有効期限を表示する部分の地色がゴールドになっているものを指す通称であり、正式には「優良運転者免許証」というものです。
これは、過去5年以内に違反点数が付く事故や違反が無く、免許の更新時に「優良運転者講習」を受講される方に交付されるものであり、すなわち優良運転者に与えられる免許証ということになります。この制度は平成6年(1994年)から始まりました。
この制度が始まる前は、すべての免許証がブルーだったのです。当時は年間の交通事故死亡者数が1万人を超えるほどであり、交通死亡事故の抑制が大きな課題となっていたのです。
実際にこの制度を導入後、次第に年間交通事故死亡者数は減少しており、現在(平成30年)では年間3,600人程度になりました。
ゴールド免許証の優遇内容

ゴールド免許は優良運転者の証であり、それ自体がステータスとなるということが大きなメリットです。
しかし、実際にはそれ以外にもさまざまな優遇が受けられるので、その内容についてまとめてみましょう。
免許証の有効期限
運転免許証の有効期限は5年です。ゴールドの方はもちろん、ブルーの方の免許証も有効期限は5年になっています。免許証の色分け制度が始まる前、全員がブルーであった頃の有効期限が3年であったために、多くの方が勘違いされているようです。
ただし、事故や複数の違反歴がある方と新規取得者、70歳以上の高齢者についてはその限りではありません。
免許証の色別に、詳しく見てみましょう。
グリーン
初めて免許証を取得した時に交付される免許証の色。有効期限は2年以上3年未満。その期間中の免許取得者の誕生日の1ヶ月後が期限となる。
ブルー
免許証の所有期間が5年未満の場合。または、更新前に違反点数が付く事故や違反歴がある場合。有効期限は5年。ただし、年齢や違反歴によって3年の場合もある。
ゴールド
更新前の5年間に違反点数が付く事故や違反歴がない場合。有効期限は5年。ただし70歳以上の場合には4年又は3年に制限される。
免許証更新時に受ける講習の時間が短い
ゴールド免許を交付される方が受ける更新時講習は「優良運転者講習」です。この受講時間はおよそ30分です。
ちなみに他の更新時講習はどの程度の時間が必要なのでしょうか。
ブルー免許証が交付される場合は以下のパターンに別れます。
- 一般運転者講習(一般講習・準優良講習) 講習時間:約1時間
- 初回更新者講習(初回講習) 講習時間:約2時間
- 違反運転者講習(違反講習・通常講習) 講習時間:約2時間
講習受講費用が安い
免許更新時には、上記のいずれかの講習を受講する必要があります。そして、その受講内容によって、手数料に違いがあるのです。
この講習手数料は、都道府県の免許センターで受講しても運転免許証の更新手続きを受け付けている最寄りの警察署(正確には交通安全協会)で受講しても同じ費用が必要になります。
- 優良運転者講習 500円
- 一般運転者講習 800円
- 初回・違反運転者講習 1,350円
免許証の更新には、上記講習受講手数料以外にもさまざまな手数料が必要です。また、高齢講習の場合の講習手数料は5,000円以上しますので、各自確認願います。
最寄りの警察署で更新手続きができることがある
都道府県によっては、最寄りの免許センターまでの距離がかなり遠くなるケースもあります。そんなときに便利なのが警察署での手続きです。
ただし、更新時に必要な講習をすべての警察署で行っているわけではなく、優良運転者講習しか行っていない場合があります。
ゴールド免許の条件

ゴールド免許証交付の条件は、更新時に「優良運転者講習」を受けることです。
そのために必要な条件とは、「免許証の有効期限の基準となる誕生日を起点とし、その41日前より過去5年間に、違反点数が付く事故や違反が無いこと。」となっています。

違反をしたらどうなる

免許期間を無事故無違反で過ごすことが、ゴールド免許の条件であることが分かりましたね。では、違反があった場合にはどうなるのでしょう。

次回ゴールド免許に戻るのはいつ
違反の時期や内容、回数によって交付される免許証の色や免許期間が変わることがわかりましたね。では、不幸にも交通違反で反則金を収める事になった時に、次回ゴールド免許に戻るタイミングはいつになるのでしょうか。
図で見てみましょう。

ここが、この免許制度の不公平なところです。軽微な違反1回の方よりも複数回の方や大きな違反をされた方のほうがブルー免許の期間が短くなるって、なんだか釈然としませんよね。
それと、免許の更新時講習は現在の免許期間内の違反回数のみで講習内容が決まるわけではありません。あくまでも過去5年間の違反回数や違反内容で講習内容が決定されることになります。
任意保険にどのように影響する

さて、ゴールド免許は任意保険の保険料にも影響することをご存知ですか。
年間保険料は、契約内容や契約者の年齢その他によって大きく変わります。すなわち1割引がどの程度の金額になるのかは、人それぞれと言えそうです。しかし、5,000~10,000円程度になることが多いのではないでしょうか。
免許更新時の費用だけでなく、任意保険の保険料にも影響するとなると、うかつに違反をすることが、家計に大きな打撃を与えるということを忘れないようにしたほうが良さそうです。
裏技とは
任意保険に「ゴールド免許割」が適用される条件は、「主に運転される方の免許証がゴールド免許であること」となっています。これはどこの保険会社でも同じです。
もし夫婦共有の車で、旦那さんや奥様のどちらかが通勤などで車を利用しておらず、だいたい同じ程度運転されるのであれば、どちらを「主に運転される方」に指定しても問題はありません。
まとめ
運転免許証のゴールド免許について詳しく解説してきましたが、いかがでしたか。
「自分は次いつになったらゴールド免許に戻れるのだろう」という疑問が解決したとすると幸いです。
数字上で5年や6年というのは簡単ですが、実際にはとっても長い期間です。つまりその長い期間の保険料が大幅値上がりすることに繋がりますので、日々の運転には十分ご注意ください。