通販型自動車保険に切り替えを検討されている方にとって、どこの保険会社にするかは悩ましい問題です。各社の保険内容の違いについて、保険料の見積もりだけではわからない部分も多く、いろいろ気になっている事でしょう。
「リスク細分型」自動車保険の普及により、年齢や車の使用状況によって保険料が変わることも今や常識となっています。その算定条件の一つに「年間走行距離」がある事はご存知ですか。
各社、同じように見える保険の内容には、実は大きく違う部分が隠れているのです。この記事ではその一つの例として、通販型自動車保険各社の『年間走行距離の算定方法』について詳しく説明したいと思います。
もくじ
リスク細分型自動車保険とは

1-1 リスク細分型保険のメリット
リスク細分型保険とは、ドライバーを年齢や過去の事故歴・車の使用状況などでそのリスクを区分し、それに応じて保険料を決定する保険のことです。
この考え方を導入したことで、よりたくさん車を運転される方や事故の多い方の保険料は「高く」、そうでない方の保険料は「安く」設定できるようになりました。
1-2 リスク要因
法律上、以下の9つのリスク要因によって保険料に差をつけても良いことになっています。
- 年齢
- 性別
- 運転歴
- 自動車の使用目的
- 年間走行距離
- 車両の使用地域
- 車種
- 車両の所有台数
- 安全装置の有無
これにより、車を運転される方のリスク要因だけでなく、車両の性能や装備によっても保険料が変わる仕組みができました。「スポーツタイプの車種は保険料が高めになる」というのは、これが理由だったのです。
また、事故歴に関係なく「よりたくさん運転する人」の方が「リスクが高い」と判断されます。
そうなのです。年間走行距離が多い人ほどリスクが高いと判断され、保険料が割高になるのです。
年間走行距離区分とは

2-1 過去の実績?未来の予想?
年間に走る距離によって保険料が変動する事はわかりました。
その通りです。年間走行予定距離を申告することで、概算の保険料を算定するのです。すなわち、一旦収める保険料もあくまで概算ということになります。
すなわち、予定の距離よりも大幅に走行距離が多い場合には、保険料を追加で支払う必要が出てくるのです。
自動車保険の更新時期以外に車の走行距離を意識されている方はそれほど多く無いために、気づかないことが多いかもしれません。多くの場合は保険の更新時に発覚し、更新時の保険料と一緒に修正分の支払いをすることになります。なんだか大幅に保険料負担が増えたと感じることでしょう。
一方で、「保険料は走った分だけ。」としているところもあります。過去形で表現している通り、過去の走行記録を基準に判定しているのです。
これなら、契約段階ですでに数値が確定しているので、年間の保険料が変動することがありません。契約途中で手続きが発生することもないので面倒がありません。
もし、車検証その他のデータから実際の走行距離をごまかして契約していることが後から発覚した場合には、事故の際の保険金が支払われないこともあるとしています。走行距離の申告は、勘違いがないように慎重に行うようにしてください。
2-2 各社の状況
通販型自動車保険各社は、「過去の実績型」と「未来の予測型」に別れる状況です。2018年現在の状況をまとめてみましょう。
保険会社 | 型 | 走行距離に大幅な変動があった時 |
ソニー損保 | 未来の予測型 | 予測よりも少なかった時は『繰越割引』 |
チューリッヒ | 未来の予測型 | |
アクサダイレクト | 未来の予測型 | |
三井ダイレクト | 過去の実績型 | 報告の必要なし |
おとなの自動車保険 | 過去の実績型 | 報告の必要なし |
イーデザイン損保 | 過去の実績型 | 報告の必要なし |
S B I損保 | 過去の実績型 | 報告の必要なし |
そんぽ24 | 過去の実績型 | 報告の必要なし |
今では、『過去の実績型』が増えていますが、これは比較的最近のことです。というのは『過去の実績型』は契約者の自己申告に基づくために、保険料をごまかす人がいるのではないか、と心配されていたからです。
ところが、車の走行距離について厳しく管理する制度が整うことで、走行距離をごまかしにくくなってきたという側面もあり、手間のかからない『過去の実績型』が増えてきたのです。
年間走行距離を超えた時はどうする

3-1 未来の予想タイプ
年間走行予定距離が大幅に予想よりも増えた時には、速やかに保険会社に申告する必要があります。
ソニー損保以外にも、チューリッヒでは『追加・変換保険料が発生する可能性がある』としているため、もし大幅に走行距離が減少した時にもカスタマーセンターに相談してみると良いかもしれません。
3-2 過去の実績タイプ
こちらのタイプなら、過去の実績をもとに保険料の算定が完了しています。そのため、去年の走行距離よりも大幅に増えた時でも、報告の必要はありません。もちろん追加で保険料を徴収される事もありません。
注意点
「過去の実績型」、「未来の予測型」どちらであったとしても、自己申告の数値が保険料の算定に大きく影響します。
そのため、不正に対しては厳しく対処されることになります。
不正が発覚した際には追加の保険料を請求されることになるでしょう。また、『あまりに悪質な場合には保険を解除することがある』としています。保険の『解約』と違って『解除』の場合には、他の保険会社でも契約を引き受けてくれないことになりますので、くれぐれも注意するようにしましょう。
まとめ
リスク細分型保険の『年間走行距離』について詳しくみてきましたが、いかがでしたか。
「過去の実績型」と「未来の予測型」に分類されることが分かっていただけたと思いますが、実際には『過去の実績型』の方が手間がかからずわかりやすい仕組みだと思いませんか。
イーデザイン損保は、「去年1年間の走行距離」をもとに保険料を算定する『過去の実績型』の保険会社です。途中で保険料が変更されることがない安心の仕組みなのでぜひ検討してみてください。
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