通販型自動車保険は、「お安くなりますよ」と言われると、気になりますが不安もありますよね。
今回は、今注目の通販型自動車保険(ダイレクト自動車保険)の安さの理由について掘り下げて行きたいと思います。
通販型自動車保険の保険料が比較的割安なのは、安くなる仕組みがあるからです。決して補償内容を極端に薄くしているわけではありません。
もくじ
ダイレクト販売方法
通販型自動車保険は、20年ほど前に始まった比較的歴史の浅い保険販売方法です。
従来の代理店を介して販売する方法と比較して、契約者が保険会社とダイレクトに契約することから「ダイレクト自動車保険」とも呼ばれています。
イメージはこうです。

代理店を通さないのでそのコストが圧縮される分、保険料を抑えられるのです。
自分で調べるか、教えてもらうのか。
今まで保険の契約をした経験のある人は、その内容の難しさに「拒否感」を感じたことがありませんか。
自動車保険に関わらず、生命保険や医療保険でも使われる用語は難解です。そのためファイナンシャルプランナーなどに相談しながら契約を進めていくことが多いのです。
2-1 代理店での説明はタダではない!?
では、自動車保険はどうなのでしょうか。代理店型の自動車保険であれば代理店の担当者に質問しながら保険を選ぶことができます。しかし、その説明はタダではありません。
代理店の人たちにも給料が必要です、生活もあります。あなたが契約した保険のその保険料には、代理店の人たちの給料が含まれているのです。
でも説明がなければ保険を購入することができません。そのためパソコンやスマホで気軽にアクセスできるホームページ上で、より分かりやすく比較的簡単な言葉を用いて説明をしています。
契約者は費用が抑えられるぶん、説明は自分で読んで理解する必要があるのです。
2-2 本当に詳しい説明がなされていますか?
よく思い出してみてください。そもそも契約時に説明をしてくれるのは有難いとしても、その後更新する時はどうでしょう。
たいそうな説明などしてもらった記憶があるでしょうか。事務的に書類をやり取りするだけなのが多いのでは。
もちろん質問には丁寧に答えてくれるのが代理店です。でも質問がないのであれば、そのメリットを活かしきれていません。
通販型自動車保険の説明は、とにかく分かりやすく出来ている
通販型の保険内容は、契約者が自分で調べ、説明を読んで、理解してもらう必要があります。
そのために保険各社はできるだけ説明を分かりやすくする必要があるのです。
しかし通販型自動車保険が初めて発売された90年代後半、パソコンやインターネット環境や技術が今ほど世の中に普及していませんでした。
また、発売当初は外資系保険会社が多かったこともあり、自分で保険を選んで契約するには、なかなか手間も時間もかかってしまい、ハードルが高かったようです。
その後、通販型保険を販売する各社は「いかに分かりやすくするか」を競い合うようになりました。
対人賠償保険と人身傷害保険の違いなど比較的混乱しやすい部分を勘違いしないように、分かりやすい言葉を用いて表現するようになったのです。
保険を選ぶ上でたいせつなのが、補償金額や特約の選択です。いざという時の補償に大きく影響する反面、保険料にも大きく関わって来ます。
初めての方は自分で選んで大丈夫なのかと心配されるようですが、通販型保険各社も工夫を凝らしています。
最近では、各保険会社がアピールする方向性が分かれてきています。
- とにかく安くするため、補償内容のカスタマイズがしやすいように、選択肢を増やす。
- できるだけ契約者が満足感を得られるように、補償以外のサービス面を充実させる。
- わかりやすさを目指して、必要なものはほとんど基本補償に含んでしまう。
自分にあった保険会社を選びましょう。
代理店型の販売スタイル
代理店型自動車保険の販売方法は、契約者に合わせて代理店の担当者が最適な保険を提案するスタイルです。
そのため、パンフレットにはあまり親切丁寧に説明されていないのが現状です。
代理店型の保険は、契約者の要望に合わせられるように、もともと多彩な選択肢が用意されています。正直全てを把握している人は、保険担当者でも稀ではないでしょうか。
通販型のテレビCMはなぜ多いのか
ダイレクト自動車保険のテレビCMを結構多いと感じませんか。テレビCMって安くはないはずですよね。なのに頻繁に見かけるというのはどう言う事でしょうか。
代理店は保険の説明をすることだけが仕事ではありません。最も大切な仕事は「セールス、売り込み」です。
そう、世の中ほっておいて商品が売れることはないのです。全国20万軒の代理店は、日々保険のセールスを行なっているのです。
となると、代理店を置かない通販型の保険会社は、その通販型自動車保険を世間に広く知ってもらうために別の手段が必要です。
その一つの答えがテレビCMというわけです。
たった15秒から30秒程度の時間で世間に一番伝えたい「通販型の自動車保険のメリット」は、やはりその「安さ」。だから安さを全面的に押した内容となっているわけです。
最近では「安心」も熱心にアピールするようになり、事故対応力やロードサービスの充実などが盛り込まれるようになりました。
これで、通販型自動車保険のテレビCMが多い理由がわかりますよね。
代理店のセールスマンにはノルマがある
代理店型の自動車保険には、手厚いサービスが用意されており安心感があります。しかし、なぜそこまで手厚くサービスを用意する必要があるのでしょうか。
6-1 愛想の良いセールスマン
保険の販売は、安心を売ることです。いざという時の備えなので、保険の顧客はその恩恵をいざという時に最大限感じることができるのでしょう。
でも、それでは多くの契約者が満足感を得られないままとなってしまいます。だって、全員が死亡事故や人身事故を経験するわけではないのですから。
データをお見せします。
契約数 | 事故件数 | 支払率 | |
対人賠償保険 | 68,001,438 | 419,884 | 0.62% |
対物賠償保険 | 67,885,542 | 2,268,351 | 3.34% |
搭乗者傷害保険 | 23,416,761 | 283,341 | 1.21% |
車両保険 | 38,631,670 | 2,211,413 | 5.72% |
保険料率算出機構発表データ(2017年)
保険の支払率は意外に低いと感じましたか。1%の確率は、100人に1人です。言い換えると100年に1度です。
しかし、これは保険という商品の宿命であり、保険のセールスマンはそのことを十分に知っています。そのため、いかに顧客に満足してもらうかは、平常時の愛想や説明サービスにかかって来るのです。
6-2 特約の必要性
保険の契約者がそんな大きな保険金の請求をしなければならない事案は頻繁に発生しません。そうです、人身事故なんでそれこそ一生に1度あるかないかでしょう。それでは顧客が保険の価値や必要性に疑問を持ちかねません。
そこで注目するのが特約です。
特約は一つ一つはあまり大きな保険料に繋がりません。しかし日々発生する小さな事柄に関する保険があれば、その保険に守られる機会が増えますよね。
たとえば「車内においていたカメラなどが運転中に落ちて壊れた」とか「運転を見守って居眠り運転などに対して注意喚起をしてくれる」などはいい例かもしれません。
そのためセールスマンは、特約をオススメすることでより多くの顧客に満足感を提供できるように努力するのです。
6-3 セールスマンのノルマ
保険セールスの仕事にはノルマがあります。補償内容の保険には大きな保険料がつき、セールスマンのノルマ達成に大きく貢献する事でしょう。
より金額の大きな保険をよりたくさん販売するために、日々血のにじむような努力しています。セールスの仕事に関わる担当者たちは保険を売らなければ給料がないのです。
そのため、できるだけ高額な補償や多くの特約を組んでもらえるよう、あの手この手でオススメして来るのですね。
目の前で一生懸命説明されるとなんとなく納得させられた気になりやすいですし、また、必要ないと感じていても結構断りにくかったりするものです。
まとめ
その保険料の安さと手軽さが最大のメリットである通販型の自動車保険。安さの秘密をまとめるとこんな感じになります。
- 直接顧客に保険を販売することで販売経費を圧縮できる。
- 保険セールスマンの代わりにテレビで宣伝を行なっている。
- セールスマンがいないので、自由に気軽にいつでも保険内容を検討できる。
今回の記事で安さの理由を知り、納得して保険選びができるようになれば嬉しいです。