通販型自動車保険に切り替えを検討されている方にとって、各保険会社ごとの補償内容の差について気になりますよね。
イーデザイン損保の自動車保険に車両保険をつけると『車両無過失事故の特則』が自動で付帯します。
一見当たり前のように感じる内容ですが、実は非常にありがたい制度なのです。また、自動車保険各社でこの特則の取り扱いには差があるのが現状です。
ここでは、この『車両無過失事故の特則』について詳しく説明していきましょう。
もくじ
車両無過失事故の特則とは
イーデザイン損保の「車両無過失事故の特則」とは、簡単に説明すると「車両保険を使ってもノーカウント事故として扱う特例」のことです。
1-1 適用の条件
適用の条件はおおむね以下の通りです。
- 自分に過失がない事故であること。
- 事故相手が、自分の所有する車でないこと。
- 相手の車かその運転者が特定されていること。
この場合に自分の車の修理に、自身の車両保険を使っても「ノーカウント事故」として扱われる特則なのです。
1-2 どんな場合が当てはまる?
実際のケースをみてみましょう。
事故相手が無保険だった。
たとえば、信号待ちで停車中に後ろから追突されて車が破損しました。しかしその相手車両が任意保険に入っていな場合です。
相手が、修理費として請求した金額に納得せず支払いを拒否した。
センターラインを超えてきた車と接触し、車の右側に大きな傷がついた。しかし、事故相手が「車の傷は以前からあって今回の事故とは無関係だ」と主張し、いつまでも車の修理ができない。
その他
自分に過失がない事故とはこんな感じです。
- 事故の原因が、相手の「追突」「センターラインオーバー」「信号無視」「駐停車中に接触される」などの場合です。
- その際に、たとえば「急ブレーキを踏んだ」「停めては行けない場所だった」などがなかったと、自分に過失が無いことが認定されなければなりません。
こんな場合は該当しません。
- 高速道路で石が飛んできてフロントガラスにヒビが入った。
- 大きなヒョウが降ってきて、くるまにたくさんの凹みができた。
- 大雨、台風、大雪・雪崩など自然災害に起因する車両のダメージ。
- 当て逃げされた。
- 車を盗まれた。
- 駐車中にいたずらで傷をつけられた。
以前、「等級据え置き特約」があった頃は、事故の際に年に1回だけですが等級据え置きで自分の保険を使えました。
現在では、「等級据え置き特約」や「等級据え置き事故」は廃止になっています。たとえ「当て逃げ」の修理でも、等級は下がることになります。
実際の保険料に対する影響は
翌年の等級に影響しない、という『等級』とは「ノンフリート等級」のことです。
2-1 ノンフリート等級制度とは
自動車保険は「事故を起こして保険金を使う人」と「無事故の人」で平等に保険金を負担するために「保険料の割引の制度」を導入しています。
簡単に説明すると、1等級から20等級に分けてそれぞれに保険料の割引率を設定し、契約者を割り当てていきます。
初年度は6等級からスタートし、事故がなければ翌年等級が上がり、保険金を使えば翌年等級が下がる仕組みです。
2-2 特則が適用されないと保険料はどうなる?
自分に過失が無い場合の保険金請求について「ノーカウント事故」と扱う特約ですが、これが無いとどうなるのでしょうか。
では、1等級下がると保険料の割引はどう変わるのでようか。
実際の割引率で見てみましょう。(割引率は保険会社によって差があります。)
等級 | 無事故 | 事故あり |
11等級 | 46%割引 | 25%割引 |
10等級 | 44%割引 | 23%割引 |
9等級 | 42%割引 | 22%割引 |
8等級 | 40%割引 | 21%割引 |
7等級 | 29%割引 | 20%割引 |
10等級の人がもらい事故で車両保険を使ったとします。
10等級で44%割引 → 翌年は 11等級で46%割引 ですよね。
10等級で44%割引 → 翌年は 9等級事故ありで22%割引 になるのです。
たとえば、今年の保険料が8万円だった人は
翌年の保険料だけで考えても、実に約¥37,000円 以上の負担増となってしまいます。
どのように申し込む?
イーデザイン損保では、車両保険を契約すれば『車両無過失事故の特則』は自動で付帯されます。特別な申し込みは必要ありません。
他社での扱いは?
他社の取り扱いは、どうなっているのでしょうか。
保険会社 | 「車両無過失事故の特則」の取り扱い |
ソニー損保 | 取り扱いなし |
チューリッヒ | 取り扱いなし |
アクサダイレクト | 取り扱いなし |
三井ダイレクト | 取り扱いなし |
おとなの自動車保険 | 自動付帯 |
S B I 損保 | 取り扱いなし |
代理店型自動車保険 | 特約としてオプション設定が多いようです。 |
2018年2月現在
代理店型では特約として設定されていることが多く、車両保険とセットでつけることが可能なようです。
しかし通販型自動車保険では、まだ取り扱いさえされていないことが多く自動付帯しているイーデザイン損保は珍しいと言えそうです。
まとめ
イーデザイン損保の『車両無過失事故の特則』について説明してきました。保険会社によっては 車両保険無過失事故特約 など多少名称が変わることもありますが、基本的に内容は同じものです。
もらい事故は、相手がいる事故のうち約1/3にも上るというデータがあるぐらい、頻繁に発生しています。
ところが自分に過失がないにも関わらず自分の加入している保険会社は示談などしてくれません。(弁護士特約がない時)
さらに、事故相手が修理費の支払いをしてくれなければまさに「踏んだり蹴ったり」ですよね。
イーデザイン損保では、契約者を守るために『弁護士特約』と『車両無過失事故の特則』は必要と考えて、両方とも自動付帯としているようです。
いざという時に困らないように、契約者のことを一番に考えていることがよくわかりますね。